【てんかんと障害年金】認定基準や申請時のポイントを社労士がお伝えいたします!

てんかんと障害年金について

てんかんのある方は1,000人に5~8人と言われています。てんかんを患ってしまうと、突発的な発作によって日常生活のさまざまなシーンで支障が出てくることがあります。場合によっては就労が困難になり経済的な不安を抱えてしまう可能性もあります。こうした場合に、障害年金を受け取ることができれば、ご自身やご家族の皆さまの経済的な安定だけではなく、精神的な支えにもなるかと思います。
てんかんは、一部のものを除いて障害年金の対象傷病です。てんかんで日常生活に支障のある方は、一度、障害年金の請求を検討されてみることをお勧めいたします。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」など、いくつかの要件を満たしていれば、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

てんかんとは?

てんかんとは、てんかん発作を繰り返し起こす状態です。てんかん発作は、脳にある神経細胞の異常な電気活動により引き起こされる発作のことで、突発的に運動神経、感覚神経、自律神経、意識、高次脳機能などの神経系が異常に活動することで症状を出します。そのため、てんかん発作ではそれぞれの神経系に対応し、体の一部が固くなる(運動神経)、手足がしびれたり耳鳴りがしたりする(感覚神経)、動悸や吐き気を生じる(自律神経)、意識を失う、言葉が出にくくなる(高次脳機能)などのさまざまな症状を生じます。

引用元:『厚生労働省ホームページ「てんかん対策」より』

障害年金の対象とならないてんかんについて

てんかんは、てんかん発作が抗てんかん薬の服用や外科的治療によって抑制される場合には、原則的に障害年金の認定の対象にはなりません。

てんかんの障害認定基準について

てんかんについては、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の対象傷病から除かれており障害認定基準によることになっています。
そして、その「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」によると、てんかんの認定にあたっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定するとされています。

障害の程度 障害の状態
1級

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが

月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

2級

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが

年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、

かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが

年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、

かつ、労働が制限を受けるもの

発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

引用元:『日本年金機構ホームページ「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」より』

障害年金を請求する際のポイント

請求する際には、「精神の障害用」の診断書を使用します。
診断書のてんかんについての項目がきちんと記入されていることが必要です。
また、発作間欠期(発作が起こっていない期間)に精神神経症状や認知障害を有する場合には、発作間欠期の精神神経症状や認知障害による社会的活動能力の影響も考慮されるため、その点も含めて、お医者さまに診断書を記入していただくことが必要です。

症状を正しく把握しお医者さまとコミュニケーションをとる

ご相談者さまとお話をしていると、お医者さまとのコミュニケーションが十分に取れていないように感じることがよくあります。
障害年金を請求するときに使用する診断書には、日常生活の状況について記入する項目があり、障害年金を受け取ることができるかどうかを判断する項目の一つになっています。
診察の時には、病状についての会話のみになっていることが多いかも知れませんが、日ごろから、日常生活で困っていることや不自由に思っていることなどを、お医者さまにお伝えし、ご自身のおからだの状況をきちんと理解しておいていただくことが重要です。
実際、お医者様とのコミュニケーションがしっかりと取れている方は、比較的、障害年金の請求もスムーズに行なえているように感じます。

病歴・就労状況等申立書を正しく記入する

病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの病歴・通院歴・就労状況・日常生活の様子などを記入するものです。
表面には、時系列に3年から5年ごとに期間を区切って、発病したときから現在までの経過を記入し、裏面には、障害認定日と現在についての就労と日常生活の状況のほか、お持ちの障害者手帳などの情報を記入します。
受診状況等証明書や診断書と整合性がとれているかを確認しつつ、診断書だけでは審査する側に伝わらないご自身の日常生活の状況等についてのエピソードを交えて記入します。

当事務所へのご相談について

まずは、お電話かメールにてお問い合わせいただければと存じます。
ご相談内容をお伺いさせていただき、アドバイスをさせていただきます。
ご希望の場合には、初回無料のご面談をさせていただいております。
おからだの不自由な方には、ご自宅にお伺いしてのご面談もいたしております。

お一人で悩まず、当事務所にご相談ください

悩んでいることや困っていることを人に話すことで、気持ちが楽になると言われています。
障害年金について、悩んでいることや困っていることがございましたら、是非、当事務所にご相談ください。
当事務所はご相談者さまのお悩みやお困りごとが解決するまで、しっかりとサポートさせていただきます。
皆さまの人生がより豊かなものになりますよう、お手伝いをさせていただきたく存じます。

 

最終更新日 5日 by 社会保険労務士 出口 芳和

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