【統合失調症と障害年金】認定基準や申請時のポイントを社労士がお伝えいたします!

統合失調症と障害年金について

統合失調症は、こころや考えなどがまとまりを欠いた状態になる病気です。そのため行動や気分、人間関係などに様々な影響が出ます。100人に1人くらいがかかると言われていて、それほど珍しい病気ではありません。
統合失調症を患ってしまうと、日常生活を送るうえで、さまざまな支障が出てくることがあり、就労が困難になり経済的な不安を抱えてしまう可能性もあります。
こうした場合に、障害年金を受け取ることができれば、ご自身やご家族の皆さまの経済的な安定だけではなく、精神的な支えにもなるかと思います。
統合失調症は、障害年金の対象傷病です。統合失調症で日常生活に支障のある方は、一度、障害年金の請求を検討されてみることをお勧めいたします。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」など、いくつかの要件を満たしていれば、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

統合失調症とは?

統合失調症には、健康なときにはなかった状態が現れる「陽性症状」と、意欲や感情表現が減るなど、あったものが失われる「陰性症状」があります。

主な陽性症状としては、以下のものがあります。

幻覚:統合失調症の症状の特徴のひとつに、実際にはないものを知覚する幻覚があります。なかでもほかの人には聞こえない声が聞こえる「幻聴」が、現れやすい症状です。

妄想:妄想とは、ほかの人にとってはあり得ないと思えることを確信してしまうことです。周りが違うと説得しても受け入れられません。たとえば、何でも自分に関係があると思い込む「関係妄想」、周囲の人が自分を陥れようとしていると思い込む「被害妄想」、見張られていると思い込む「注察妄想」など、様々なものがあります。

考えの混乱:考えをまとめることが困難になるため、支離滅裂で、まったく脈絡のないことを言ったり考えたりするようになります。話が途切れたり、とんで脱線したりします。

主な陰性症状としては、以下のものがあります。

・意欲がなくなり無気力になり、身の回りのことにかまわなくなる。
・感情が表に出にくくなり、いつも無表情で、喜怒哀楽がなくなる。
・友達や家族など人と関わることを避けて、閉じこもる

参考:厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_03.html

統合失調症の障害認定基準について

統合失調症の障害認定基準は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に以下のように記載されています。

障害の程度 障害の状態
1級

高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、

その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級

残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、

日常生活が著しい制限を受けるもの

3級

残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、

その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

 

また、統合失調症は、予後不良の場合もあり、国年令別表・厚年令別表第1に定める障害の状態に該当すると認められるものが多い。しかし、罹病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもある。したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮する。とも記載されています。

『日本年金機構ホームページ「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」より』

障害年金を請求する際のポイント

請求する際には、「精神の障害用」の診断書を使用します。
診断書の『①障害の原因となった傷病名』欄の『ICD-10コード』をはじめ、『⑩障害の状態の現症日』、『⑪現症時の日常生活活動能力及び労働能力』欄、『⑫予後』欄等の記入漏れがないかどうかの確認が必要です。

症状を正しく把握しお医者さまとコミュニケーションをとる

ご相談者さまとお話をしていると、お医者さまとのコミュニケーションが十分に取れていないように感じることがよくあります。
障害年金を請求するときに使用する診断書には、日常生活の状況について記入する項目があり、障害年金を受け取ることができるかどうかを判断する項目の一つになっています。
診察の時には、病状についての会話のみになっていることが多いかも知れませんが、日ごろから、日常生活で困っていることや不自由に思っていることなどを、お医者さまにお伝えし、ご自身のおからだの状況をきちんと理解しておいていただくことが重要です。
実際、お医者様とのコミュニケーションがしっかりと取れている方は、比較的、障害年金の請求もスムーズに行なえているように感じます。

病歴・就労状況等申立書を正しく記入する

病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの病歴・通院歴・就労状況・日常生活の様子などを記入するものです。
表面には、時系列に3年から5年ごとに期間を区切って、発病したときから現在までの経過を記入し、裏面には、障害認定日と現在についての就労と日常生活の状況のほか、お持ちの障害者手帳などの情報を記入します。
受診状況等証明書や診断書と整合性がとれているかを確認しつつ、診断書だけでは審査する側に伝わらないご自身の日常生活の状況等についてのエピソードを交えて記入します。

当事務所へのご相談について

まずは、お電話かメールにてお問い合わせいただければと存じます。
ご相談内容をお伺いさせていただき、アドバイスをさせていただきます。
ご希望の場合には、初回無料のご面談をさせていただいております。
おからだの不自由な方には、ご自宅にお伺いしてのご面談もいたしております。

お一人で悩まず、当事務所にご相談ください

悩んでいることや困っていることを人に話すことで、気持ちが楽になると言われています。
障害年金について、悩んでいることや困っていることがございましたら、是非、当事務所にご相談ください。
当事務所はご相談者さまのお悩みやお困りごとが解決するまで、しっかりとサポートさせていただきます。
皆さまの人生がより豊かなものになりますよう、お手伝いをさせていただきたく存じます。

最終更新日 4日 by 社会保険労務士 出口 芳和

ご相談のご予約
03-4400-1880

営業時間 平日10:00~17:00
※面談は土日応相談